ハンドファーストとは、ボールインパクトのときに、手(グリップ)が飛球線の方に出る形、真正面からみて体の軸より前に出るような形でインパクトすることを言います。
アイアンショットでは、ダウンスイング時のスイングプレーンを、ボールへの入射角を鋭角に入れる「ダウンブロー」にして、クラブが直接ボールに当たるように打つ、とよく言われます。
いわゆる「上から打ち込んでターフをとるショット」です。
但し、このハンドファーストで上から打ち込むショット、私はどちらかというと、現代のゴルフではそれほど必要ないと思っています。
特に、100切り定着を目指すアベレージゴルファーには必要ない技術であり、むしろスコアアップを妨げる要因であると思っています。
アイアンショットでも払い打ちが基本
スコア80台のレベルのゴルファーである私自身、ハンドファーストで上から打ち込むショットはあまり打ちません。
フェアウェイや、それほどライの悪くないラフからのショットであれば、ハンドファーストで打たずに、基本は構えた位置に手(グリップ)を戻してインパクトします。いわゆる払い打ちです。
現在のゴルフクラブの進化により、アイアンショットも払い打ちで打ったほうが精度の高いショットになる確率が圧倒的に高いからです。
→[参考]アイアンショットは打ち込むのか?払うのか?
もちろんライの悪いラフからのショットや、アプローチショットでしっかりボールを止めたい場合などは、ハンドファーストでダウンブローで打つこともあります。
なぜハンドファーストのショットが必要ないのか?
あくまでも「100切り定着を目指すアベレージゴルファー」の場合ですが、ハンドファーストを意識するショットは必要ありません。
理由はミスショットの確率が高くなるからです。
そしてそれはアイアンショットだけではなく、ドライバーショットのミスにも影響してしまうからです。
まず、アベレージゴルファーがハンドファーストを意識すると、大体正確な手首の角度が維持されません。
本来であればハンドファーストにすることによって、ロフトが立つショットになるのですが、同時にフェースが開いてしまい、スライスショットやシャンクといったミスショットを誘発します。
また、上記のミスを防ごうとして極端に右手をかぶせてしまい、逆に大きくフックするようなミスショットになる場合もあります。
それほど、ハンドファーストでダウンブローのショットを実現するのは難しいことなのです。
ハンドファーストはドライバーのミスショットにも影響する
また、アイアンショットでハンドファーストを意識し過ぎると、ドライバーショットにも影響を与えてしまいます。
ドライバーは、ティーに乗っているボールに対してフラットに打つか、若干アッパーブロー気味にインパクトします。その場合、手(グリップ)の位置はハンドファーストにはなりません。
ドライバーでハンドファーストのインパクトになると、ダウンブローになりヘッドがボールの下を通る「テンプラ」などのミスショットに繋がります。
また、打ち出し角度が低くなり、バックスピン量も少なくなるので、ドロップボールと呼ばれる滞空時間が短く、キャリーも出ないドライバーショットになってしまうのです。
ハンドファーストでスイングすることが全く必要ないわけではありませんが、100切り定着を目指すアベレージゴルファーは、まずは構えた位置に正確に手(グリップ)を戻せるようなスイングを確立していきましょう。