ゴルフでよく聞かれる「ボールのつかまり」「ボールがつかまる」という言葉。
ゴルフ場で「このクラブはつかまりがいいね~」なんて会話があったりしますが、私は初心者の頃「ボールのつかまり」という言葉がわかりませんでした。
「ボールがつかまると飛距離のでるドロー(フック)系の打球になって、つかまらないと飛距離のでないフェード(スライス)系の打球になる」と思っていましたが、これは「つかまえた結果」であって、つかまるということではありません。
・・・ちょっとわかりにくいですね(^_^;
ボールのつかまりの意味
ボールのつかまりとは「ボールを長くフェース面に乗せて(当てて)押し込むことができること」を言います。
フェースに乗ったボールを長く押し込むことができれば、その分パワーがボールに伝えられて、結果力強い打球が生まれます。これがボールをつかまえるということです。
ボールをつかまえるために必要なこと
ボールをつかまえるためにはフェースローテーションが欠かせません。
ゴルフにおいて、正常なスイングプレーンが描くクラブヘッドのスイング軌道は、インから降りてインに上がります。
イン(内側)から入ったクラブフェースに対し、インパクト後ボールは当然アウト(外側)に飛んで行こうとします。この時にフェースローテーションがないと、フェースがそのままなので、ボールがアウト(外側)に逃げてフェースからすぐに離れてしまうためパワーが伝わりません。
■つかまらない打球
インパクトの時にフェースローテーションを使い、ボールがアウト(外側)に逃げないようにすることを「ボールをつかまえる」といいます。
ボールがアウト(外側)に逃げないようにつかまえた結果、ボールが長くフェースに乗るので、その分パワーをボールに伝えることができます。
■つかまる打球
フェースローテーションを利用して、アウト(外側)に逃げようとするボールを文字通り「つかまえて」ボールを長くフェースに乗せます。その結果、ボールにフェースに接地する時間が長く、フェースを押し込んで力を伝えることができます。
上記が「ボールがつかまる」という状態です。
フェードでもボールはつかまえられる
つかまえた打球は、ボールつかまえた結果、フェースがかぶり気味になってドロー系の打球が出やすくなるだけで、フェード系の打球でもボールをつかまえることは可能です。
以前、女子プロゴルファーの横峯さくらさんが「つかまったフェードを打ちたい」とインタビューで答えてました。
若干開き気味のフェースでインパクトを迎え、フェースローテーションを積極的に利用してボールを捕まえてパワーを伝え、ボールが離れる直前もフェースがかぶらないようにして、力強く飛距離のでるフェードを打ちたいということです。
ただ単にボールをつかまえにいくよりも相当な技術を必要としますが、フェード系のつかまり打球が習得できれば「飛んで止まるフェードの打球」が打てるのです。
アメリカPGAツアー6勝、2012年と2014年のマスターズを優勝した「ババ・ワトソン」もフェード打ちですが、ドライバー平均飛距離310ヤード以上、飛ぶときはツアー中でも350ヤード以上飛ばすのですから、フェードだから飛ばないなんてことはないんですね。
ボールをつかまえる打ち方
ボールをつかまえるためにはフェースローテーションが不可欠ですが、フェースローテーションはフェースを開閉するため、タイミングの取り方が難しく、それなりの技術と練習量が必要です。
特に最近は、アイアンショットでは、スイングプレーンをシンプルに保ちフェースをできるだけ開閉しないで打つスイングが主流です。
アイアンショットは「いかに狙った場所にボールを運べるか」が目的であり、再現性が高く精度の高いショットを打つことが求められます。そのためにはフェースの開閉を抑え、できるだけ無駄な動きをしない方が効率がよいからです。
ですが、ドライバーショットなど飛距離も求めるショットの場合は、ある程度フェースローテーションを利用して、ボールをつかまえる打ち方が必要となります。
最近の主流は
- アイアンショットはフェースローテーション抑える
- ドライバーはボールをつかまえて飛距離を出す
となってます。
ドライバーでつかまえる打ち方が有効な理由
ドライバーではフェースローテーションを利用して、ボールをつかまえる打ち方が有効です。
というのも、現代の大型ヘッドのドライバーではフェースが開閉しにくいため「インパクトで開き過ぎて当たる、閉じ過ぎて当たる」というブレが少ないからです。
アイアンはドライバーに比べフェースが開閉しやすいため、インパクトでフェースローテーションのタイミングを合わせるのが難しく、開き過ぎてどスライスが出たり、つかまり過ぎてひっかけたりする可能性が高まります。
一方、ドライバーはクラブの特性上フェースの開閉が小さいため、つかまえるためのフェースローテーションにアイアンほどシビアな精度が求められないからです。
そのため、ドライバーではある程度フェースローテーションを使って「つかまえて飛距離を出すショット」が可能となるんです。
ボールをつかまえるときやってはいけないこと
ドライバーショットのボールをつかまえる打ち方で、絶対にやってはいけないのが「自分からつかまえにいく打ち方」です。
自分からつかまえにいく打ち方というのは「インパクトで無理に手首を返して、フェースの開閉を強引にする打ち方」です。
上記の方法でドライバーショットを打つと、まずまともに当たりません。
ミート率が極端に落ち、飛距離が出るどころか「飛ばない」「曲がる」ショットになってしまいます。
ボールをつかまえる正しい打ち方
まず、フェースの開閉はクラブに任せます。
そのため、ドライバーショットではグリップは軽く握り、手首を柔らかく保ちます。目安としては、全力で握ったときの3~4割の力加減でしょうか。
意識するのは、トップからダウンスイング、インパクトまでの「右肩」です。
トップでの右肩の位置をそのまま保つ意識で、ダウンスイングからインパクトを迎えてドライバーを振り抜きます。
フェースを返そうという意識が強いと右肩が出てしまい、途端にアウトインのスイング軌道になってしまいます。また、手で返そうと意識しても右肩が出てしまいます。
トップでの右肩の位置を動かさず、ダウンスイングからはある意味「腕だけで振る」ようなイメージでスイングすると、クラブフェースの自然な開閉が生まれ、つかまる打球が打てるようになります。
上記のつかまるドライバーショットの打ち方は「ドロー飛距離アッププログラム」という動画で説明されていて参考にしました。
僕のような体の小さい人でも、少ない練習で簡単にコツを覚えることができる内容なので、ドロー系のショットで飛距離アップを目指したい人は、ぜひ一度見ておくのをおすすめしますよ!