ゴルファーが抱えるケガで多いのが「手首の痛み」
重くて硬いゴルフクラブで、これまた硬いゴルフボールを打つのですから、手首にかかる負担は相当なものです。
プロゴルファーでも手首の痛みに悩まされる人もいて、近年では松山英樹さんや有村智恵さんが、手首痛のためツアーを欠場したりしています。
特に初心者ゴルファーやアベレージゴルファーの場合
- ボール手前を叩くダフリ
- ボールの上を叩くチョロ
といった芯を外すショットが多く、手首に余計な負担がかかってしまいます。
前回は、手首が痛む原因について説明しましたが、今回はその治療法と再発防止のための対策について説明しようと思います。
ゴルフにおける手首の痛みの原因
ゴルフで手首を痛めたときの治療法
ゴルフで手首を痛めたときの治療法は
- ゴルフを休止すること
- アイシング
- マッサージ
です。
月並みですが、ケガをしたときは休養とケアが重要です。
腱や筋肉系のスポーツ障害全般に言えることですが、まずは休養して使うのをやめること。そして腱や筋肉系の障害は「炎症」によるところが大きいので「アイシング」と「マッサージ」が有効です。ゴルフを休止中でも、一日の終わりに手首のアイシングはやっておいた方がいいでしょう。
痛みが強いときやなかなか治らないときは整形外科を受診してください。
十中八九「腱鞘炎」と診断され、湿布薬や痛み止めの薬が処方されるでしょう。
湿布薬は、患部を冷やす目的よりも「湿布薬に貼付されている炎症止めの薬剤による効果」が目的です。心配な方は整形外科を受診してレントゲンやMRIで検査してもらってもいいでしょう。
ですが、病院に行ったからと言ってすぐに治るものではありません。
前述のとおり、手首など普段の生活でも動いたり曲がったりする部分のケガは治りが遅くなります。気長にアイシングやマッサージなどのケアに努めてください。
再び手首を痛めないための対策
休養、治療をしてせっかくクラブが振れるようになっても、手首の痛みが再発してしまったら元も子もありません。手首痛の再発防止対策を2つほど説明します。
フックグリップ(ストロンググリップ)にする
私の経験上、フックグリップ(ストロンググリップ)にしたところ、手首を痛めることはなくなりました。
スクウェアに握ったとき、ボールをインパクトする瞬間にかかる衝撃は「手の甲側」からです。手首は横よりも縦(手の甲や手のひら側)に曲げやすく曲がりやすいです。曲げやすく曲がりやすいということは、曲げないためにより負荷がかかります。
そのため、ボールをインパクトするとき手首にかかる負荷は、フックグリップよりもスクウェアグリップの方が大きいと言えます。フックグリップであれば手首が固定され、手首が頑張る力はスクウェアグリップよりも軽減されると言えます。
これはテニスに似た技術です。
テニスにもいろいろなタイプの選手がいますが、強いボールを強く打ち返そうとするときは、手首を甲側に曲げて手首を固定させた状態で打ち返します。公式テニスなどの硬球を打ち返すときに手首を固定しないと、向かってくるボールの勢いに負けてしまうからです。
フックグリップ(ストロンググリップ)のやり方は、以下のページで細かくまとめてありますので、ご参考にしてみてください。
なるべく払い打ちにする
近年のゴルフはクラブの進化により、点で捕らえる打ち込むショットより線で捕らえる払い打ちの方が良いとされています。
打ち込むショットは、クラブフェースがボールの斜め上から鋭角に入り、ボールの先のターフ(芝)を削り取るようなショットです。ボールだけを打つ払い打ちよりも当然手首の負担は大きくなります。
もちろん、深いラフなど打ち込むショットが必要になる時もあります。
また、アマチュアゴルファーの場合、ダフリやチョロ、もしくは芯を喰ってないショットで負担がかかり、手首を痛める方が要因としては大きいです。
ですが、普段から「払い打ち」を意識して練習することで、手首の負担は軽くなるし、ショットの精度もあがりゴルフのスコアアップにもつながります。
ゴルフに限らず、スポーツをやる以上ケガは誰にでも起こることです。特にミスが多くケアも得意ではないアマチュアゴルファーの場合、一度ケガをすると長引いたりもします。
ケガの治療や対策は、完治するまで個人個人で試行錯誤するしかありませんので、今回の説明も数ある解決策の1つとしてご参考にしてみてください。
ゴルフにおける手首の痛みの原因