ゴルフは置いてあるボール打つスポーツです。
ライ(芝の状態)は選べませんが、アドレスで構えた時に体の正面から見てどこにボールを位置づけるか(どこにボールを置くか)は、ドライバーショットでもアイアンショットでも選ぶことができます。
ゴルフ雑誌でもたびたびボールを置く位置が特集されますが、みなさんはボールの位置についてどのくらい意識していますか?
ゴルフボールを置く位置
一般的なボールの位置
一般的なボールの位置は以下のとおりです。
- 7番アイアンよりショート:両足の真ん中からボール半個~1個分右
- 7番アイアン:両足の真ん中かボール半個分左
- 7番アイアンよりロング:両足の真ん中からボール半個~1個分左
- ユーティリティ:両足の真ん中からボール1個~1個半分左
- フェアウェイウッド:両足の真ん中からボール1個半~2個分左
- ドライバー:左足かかとの延長線上
上記のボールの位置はあくまでも一例ですが、クラブによってボールの位置を小まめに変える人の方が多いですね。
個人的なボールの位置
私自身は、ボールの位置にそれほどこだわりがありません。
- ウェッジ:両足の真ん中よりちょっと右
- アイアン全般:両足の真ん中
- ユーティリティ:両足の真ん中よりちょっと右
- フェアウェイウッド:両足の真ん中よりちょっと右
- ドライバー:左かかと延長線上
といった目安です。
それでも「なんとなく」といったイメージで、クラブの番手の違いでボールの位置を変えることはそれほど意識していません。
ボールの位置を固定しない理由
打ちたい球(球質)によって位置を変える
ボールの位置を固定しないのは「打ちたい球(球質)によってボールの位置を変えるため」だからです。そのため番手によって位置を固定しません。
例えばウェッジ。
ふわりと浮かせて上から落す打球を打つ場合、ボールは両足の真ん中に置きます。
逆に、低い打球で転がしたい場合は、最初から左足体重で構えて、ボールは両足の真ん中からボール1個~2個分くらい右に置いて打ちます。
本番ラウンドの状況や打ちたい打球によってボールの位置を変えるので、「この番手のクラブならココ」と固定しないし、練習場でもいろんな位置に置いて練習します。
本番ラウンドでは位置がわかりにくい
もうひとつの理由が「本番ラウンドでは位置がわかりにくい」からです。
本番ラウンドでは、ティーグラウンドもフェアウェイも広い芝の上です。練習場のように目安がわかりやすいわけではありません。
そのため、自分ではボールを真ん中に置いたつもりでも、実は右寄りになっていたりします。
練習場であまりにもボールの位置を固定してしまうと、練習場で真ん中に置いていた感覚と、本番ラウンドで真ん中に置いたつもりの感覚のズレが生じて、ミスショットを誘発しやすくなります。
練習場でボールの位置をシビアにして練習すると、本番ラウンドで柔軟に対応できなくなり、その日の体調や環境に合わせたゴルフができなくなってしまうんです。
ボールの位置に対応できるスイング
では、なぜボールの位置を固定しなくてもミスショットにならないのでしょうか?
それは「体重移動を積極的に行う体全体を使ったスイング」だからです。
体重移動を積極的に行うスイングだと、頭の位置は動きませんが、体は左右に動きます。
普段から体重移動で体を動かすスイングをしていると、自然とボールへのアジャスト能力がついて、どの位置にボールを置いていても体が自然と調節するようになってくれます。
だから、ここ一番で飛ばしたいときに大きく体重移動しても、コントロールショットで体重移動を抑えても、どちらも同じボールの位置でミスショットすることなくボールが打てるんです。
これが体重移動を積極的に行う体全体を使ったスイングのメリットです。
ちなみに、3年連続賞金王に輝いた片山晋呉プロは、どんなクラブでもボールの位置は「左頬の下」と決めています。
片山晋呉プロのコーチだった谷将貴さんは「片山プロの場合、左頬はあくまで目安で、ボールをどこの位置に置いても対応できる」と解説しています。
確かに、体重移動をあまり行わずその場でスイングするスタイルであれば、ボールの位置は影響があるかもしれません。
練習場だけでの精度で言えば、ボールを固定化して体をあまり動かさないスイングの方が精度が高いかもしれませんが、本番コースなどの状況において柔軟に対応できるのは体重移動を積極的に行うスイングであると思っています。